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<コラム>ものづくり企業と理系人材

高橋金属株式会社
取締役 生産技術部・技術営業部 部長 藤谷 憲治

世界は「困り事」と「挑戦のチャンス」にあふれています
 これまでの約20年、日本は「造れば売れる」「良いものを造れば必ず買ってもらえる」時代でした。メーカーはひたすらもの造りに集中し、一生懸命に良い製品を生み出し、それで会社は成長していました。しかし現在はそうはいきません、私たちは長い間、石油やガスといったエネルギーに頼って産業を発展させてきましたが、このまま続けば、地球は環境汚染によって立ちいかなくなるとさえ言われています。
 この問題を何とかしようと、多くの人が知恵を絞り、アイデアを考え実現に向けて挑戦しています。例えば自動車の分野では、「少ない燃料でより遠くまで走れるように車体を軽くする」「排気ガスをできるだけ減らす」といった取り組みが行われています。さらに、新しいエネルギーを生み出す為の研究や開発も世界中で進められています。
ただし、どれだけ優れたアイデアでも、形にし、世の中で使われなければ意味がありません。アイデアを「考える」だけでなく、「実現する力」があってこそ、社会は少しずつ良くなっていきます。
今の世界には、解決を待っている課題がたくさんあります。そして、その課題の先には困っている人達がたくさんいます。
これからの社会を作るのは、これからの皆さんです。学ぶ事、考える事、挑戦する事の一つひとつが、誰かの役に立ち未来を変える力になります。

共に切磋琢磨する人財を求めて―私たちの仕事と社会との関わり
 私たちの仕事は、「困り事」と共に「より良いもの」を造り、社会に貢献することです。
現代の社会は、あらゆる製品が供給され、とても便利な世の中になっています。安くて質の良い製品にあふれ、「この製品は、どのようにして作られているのだろう」と、ものづくりに携わる立場として考えさせられることも少なくありません。
一つの製品が完成するまでには、何十もの工程が絡むこともあります。しかし、少しでも安く、そして安定して供給するためには、工程を減らす工夫や、材料を最小限に抑える知恵が必要です。
良い品物を “適正な価格” で社会に届けるために欠かせないもの―それが「ものづくり技術」です。
私たちはこの「ものづくり技術」を日々磨き上げ、仲間同士が切磋琢磨することを求められています。その積み重ねこそが、「困り事」を解決し、社会に貢献する力になると考えています。

ものづくり技術-私たちの仕事
 私たちは、金属部品を製造している会社です。
金属材料を「切断」「曲げ」「加工」し、部品を溶接により組立てお客様に製品としてお届けしています。
私たちは主に鉄系材料を使用し、部品加工を行っています。
加工に欠かせない設備がプレス機であり、その心臓部となるのが金型です。
鉄を鉄で加工するからこそ、金型の材質特性を深く理解し、適切に設計することが求められます。
金型設計には、長年蓄積されてきた加工技術の知識と経験が欠かせません。過去の技術を無視した設計では、狙い通りの加工結果を得ることはできないのです。

溶接で組立てる!
 金属を加工し部品を造り、組立てる方法に溶接があります。溶接では組みたてる部品の材料に合った溶接方法を選定する必要があります。部品の形状と材質を確認したうえで、溶接する条件を決めて加工を行います。これが、間違っていると溶接が付かなかったり、外れたりするため、材料をよく知り加工条件を決めて溶接することが必要となります。

理系脳が支えるものづくり
 金属部品の加工を行う上では、「なぜこうなるのか」「どうすれば改善できるのか」をロジック的に考え、蓄積された加工技術を活用・応用することが必要となります。ものづくりにはロジック的に考える「理系脳」が必要となります。
私たちの会社に限らず「ものづくり」を生業にしている会社には物事を「ロジック的に考える」思考回路を持った理系人材が必要なのです。

究極のものづくり技術
 長年、金属部品を作り続けていると、どうやって作った?という衝撃的なものづくりに出会うことがあります。この様なものづくりを称えた賞が「ものづくり日本大賞」や「関西ものづくり新撰」になります。私たちもものづくり日本大賞に応募し、第5回ではプレス加工でリフレクタ部品を製造する技術で受賞し、第7回では、金型内で基材の成形とおねじ加工を行う「型内ねじ転造加工技術」で特別賞を頂くことができました。

第5回ものづくり日本大賞
第7回ものづくり日本大賞

西ものづくり新撰2025ではレーザ溶接でギャップ(隙間)や溶接位置を検出し最適な加工条件と溶接位置を補正する技術(ギャップトラッキングレーザ溶接技術)を用い電池ケースを製作する技術で特別賞を受賞しました。この受賞により関西万博2025に出展する貴重な機会も得ています。

ギャップトラッキングレーザ溶接機
関西万博2025への出展

ものづくり企業が望む人財
私たちは、ものづくり企業として加工技術を磨き続け、社会に貢献することを使命だと考えています。
その中核を担うのが、ロジック的に物事を考えることのできる理系人財です。
理系脳は、短期間で身につくものではありません。
幼い頃から「なぜ?」という疑問の学び、失敗を「悪いこと」にしない試行錯誤(価値)、抽象的な理解より体験や経験の積み重ねによって育まれるものです。
だからこそ、理系人財の皆さんが、私たちのような「ものづくり企業」で力を発揮し、共に成長してくれることを心から願っています。
社会を支える技術を磨き、困っている人の役に立つ。
その一員として、私たちと共に切磋琢磨していきませんか。